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接することが好き、人と接触をもつことが好きというのも、重要なポイントです。とくに慢性疾患の場合は、患者さんと長年の付き合いになっていきますので、その患者さんとの接触がうまくいかないとなかなかお互いの信頼関係は出来上がっていきません。
次に、人間愛に溢れていることです。思いやりですね。
では、その中でどういう形で適性あるいは自分自身を啓発していかなければならないかといいますと、まず自分自身の心の状態を把握することがとても大切になるのではないかと思います。看護婦の例を上げてみますと、3交替をして身も心も疲れきっているところで患者さんの教育がうまくできるか。そうはいってもこの患者さんは糖尿病教育をしないと何年後には合併症が出るから教育をしないといけない。ところが、自分の心の中は疲れだけではないですが、精神的にもボロボロになっている状態で、はたして患者さんに適切な教育ができるかというと、必ずしもうまくいくとは限らないわけです。やはり自己犠牲を強いて教育をするという形になりますので、いつか破綻を来してくる。ですから、まず自分自身の心の状態をよく把握する。いってみれば、ゆとりをもった生活を送るということです。これがたいせつになってくると思います。
2番目は、相互信頼に基づく人間関係の構築ということです。これは患者さん側と医療者側、医療者同士の問題になるかと思います。先ほどもお話ししましたが、医療スタッフ側が教育を一生懸命行っても、患者さんの学習活動、すなわち自己管理がうまくいかなければ、教育は失敗しているということになるわけです。
教授学習過程における情報の相互伝達ということです。医療スタッフが情報処理-情報処理というのは、患者さんの情報収集をして、医療スタッフが今度はその情報をもとにして、どのように治療計画、看護計画、教育計画を立てていくかということですが-それに対して患者さ

 

 

 

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